超硬（WC-Co）

超硬（WC-Co）は、タングステンカーバイド（WC）とコバルト（Co）の合金で、主に工具やカッターなどの耐摩耗用途に使われる非常に硬い材料です。この合金は、「セメントカーバイド」とも呼ばれ、高い硬度と優れた耐摩耗性を持っています。

超硬合金の特性としては以下の点が挙げられます：

1. 硬度：タングステンカーバイドは非常に硬く、ダイヤモンドやボロンカーバイドに次ぐ硬度を持ちます。この高い硬度により、切削工具やドリルビット、エンドミルなどに使用されます。
2. 耐摩耗性：高い硬度と併せて、優れた耐摩耗性を持っているため、長時間の使用や高負荷がかかる環境でも性能を保つことができます。
3. 靭性：コバルトの添加により、タングステンカーバイドは適度な靭性を持ちます。これにより、衝撃や圧力に対しても比較的抵抗力があります。
4. 熱安定性：高温環境下でも性能を維持することができるため、高速切削や難削材の加工に適しています。

超硬合金は、これらの特性により、金属加工、採掘業、建設業、木工業など、様々な工業分野で重宝されています。特に、切削工具や研磨材、摩耗に強い部品など、高い耐久性と性能が要求される用途で広く利用されています。また、タングステンカーバイドとコバルトの比率を変えることで、硬度と靭性のバランスを調整し、特定の用途に合わせた材料特性を実現することが可能です。